彰国社, 1997年, 245p, 293×220mm, soft
雑誌『建築文化』別冊版として出版されたものを書籍版とした一冊。
堀口捨己は、わが国初の前衛的建築運動を展開した分離派建築会の中心メンバーとして出発し、インターナショナル・スタイルの代表的作家として脚光を浴びるが、その後日本建築の伝統への考究を深め近代数寄屋の傑作をつくりだした建築家として有名である。
本書では、その「日本」をキーワードに、堀口の活動を総合的にとらえたうえでの再評価を試みている。
1995年の生誕100年を記念して編まれたが、初公開となる資料も多数収録。
全体は、「1895-1928」「1929-1952」「1953-1984」の3章に分けられ、実作品、計画案、応募案など実に70におよぶ作品をモノクロ写真や図面、図版、解説にて収録。
それぞれの章には、堀口捨己年譜が付されており、ここには主要な作品や著作、論文などその出典も含め詳細に収録されており、資料的価値も非常に高い。
目次:
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巻頭対談 「赤物」 堀口捨己の視座|神代雄一郎・磯崎新
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第1章 「構成」の重視−分離派建築会の時代
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第2章 「日本」の探究−茶の湯に見いだした新しい世界
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第3章 「日本」の展開−現代性と普遍性をめざして
論文
「主体」重視の「抽象美」の世界|藤岡洋保
「日本的なもの」をめぐる思索|藤岡洋保
空間への眼差し−堀口捨己における茶室と庭|横山正
堀口捨己をめぐる人びと−他分野を中心に|横川茂樹
カバーに多少スレ、キズ、ヤケ。
小口天地、ページ周縁部に多少ヤケ。
その他良好。