長谷川尭: 著
相模書房,
1976年2刷, 450p, 215×150mm, soft
日本近代の建築史の中で、従来不当に低い評価に甘んじてきた一群の人々を「中世主義」の視点から再評価し、大正期を中心に熱気に満ちた若い芸術家、建築家の育てつつあった都市のイメージを追う。
妻木頼黄に対する評価の逆転をはじめとして、村野藤吾、今井兼次の再評価により、近代建築の論理に真正面から挑んだ長谷川尭による野心的建築評論。
目次
第一章
・ 「所謂今度の事」をめぐって
・ 叛逆者
・ 大正元年のCOCA COLA
・
三田の丘の上
・ 小さいものから
・ 高松政雄のラスキン
・ 新しい心斎橋と日本橋
・ りうりうと仕上がったのでお芽出度い
・
河のなかの「江戸の唄」
・ 妻木頼黄という建築家
・ 「陸の東京」への咆哮
・ 水上のシャン・ゼリゼ
・
荷風の中世主義
・ 日和下駄に蝙蝠傘
・ 裏町と横道を行こう
・ 軽蔑なしに羨ましい
・ 細長い「囲い地」
・
コバルトの空の下の虞美人草
・ 水上都市の構想
・ 「メイゾン鴻の巣」
・ 芝の上に居る
・ 復元街区
・
小屋談義
・ 「物いひ」
・ 四二年組
・ 山崎静太郎の構造の主体性の主張
・ 反論
・
レアリテとヴェリテ
第二章
・
<囲い地>について
・ 囲壁の内側
・ 都市改造の根本義
・ バラック
・ 相互扶助
・ 復興都市の建築美
・
賀川豊彦の学会での講演
・ ギルドとサンジカ
・ <都市>としてのハワードの発明
・ 『ガーデン・シチーに就て』
・
樹木をよける道
・ コテージ
・ 内部のふくらみ
・ 日本のカントリーハウス
・ ヴォ−リズと近江八幡
・
モリスと云ふ先生
・
ある提案
第三章
・
『様式の上にあれ』
・ 考え方の変化
・ 未来への遁走
・ 現在
・ 神の臨在
・ 量塊・表面・平面
・ 陰影
・
北への視界
・ ストックホルムの石
・ バルセロナで
・ 雪の中に立つ
・ 部分から全体へ
・ 手と機械
・
私のロマネスク
函に多少スレ、キズ、ヤケ、ヨゴレ。
表紙に多少スレ、キズ、ヤケ、シミ。
小口天地、ページ周縁部多少ヤケ。
その他良好。