[広さ][長さ][高さ]の構造デザイン

坪井善勝・小堀徹・大泉楯・原田公明・鳴海祐幸 編著
建築技術, 2007年, 275p, 243×188mm, soft

古代から[広さ][長さ][高さ]に関わる規模の大きな構造物、つまり大スパン構造物・橋梁・塔状構造物はその時代の公共施設(社会資本)として重要な役割を果たしてきた。
特に産業革命以降の建築・土木の技術革新は目覚ましく、現在では高さが800mを超える超高層建築や支間が2,000m近い吊橋など従来の建設技術ではとうてい不可能な大規模構造物が実現するようになった。
本書はこの現状を踏まえ「技術の源流や本質を問い直す」ことを視座に据え、これから構造技術を学ぶ学生の入門書として、あるいは若年社会人の再教育書として企画された一冊。

目次
第1章 構造システムの歩み
1-1 建築・橋・塔の構造と構造システム
1-2 古典的構造材料と近代的構造材料
1-3 鉄の歴史
1-3-1 古典的材料の鉄
1-3-2 近代的構造材料の鉄鋼
1-4 コンクリートの歴史
1-4-1 古典的構造材料のコンクリート
1-4-2 近代的構造材料のコンクリート
1-5 構造システム前史
1-5-1 より広く,より長く,より高く
1-5-2 広さへの挑戦:組積アーチ・ドームからシェルへ
1-5-3 長さへの挑戦:トラスの誕生
1-5-4 高さへの挑戦:塊状構造

第2章 構造システムのタイプ
2-1 真直ぐな丸太と曲がった丸太
2-2 [A群]圧縮+せん断抵抗系の構造システム
2-3 [B群]曲げ抵抗系の構造システム
2-4 [C群]軸力抵抗系の構造システム
2-5 [D群]圧縮抵抗系の構造システム
2-6 [E群]張力抵抗系の構造システム

第3章 [広さ]を可能にする構造デザイン
3-1 大スパン建築の変遷
3-1-1 古代ローマ建築からゴシック建築へ
3-1-2 ガウディの建築
3-1-3 鉄骨建築の誕生
3-1-4 鉄筋コンクリートの可能性
3-1-5 テンション構造の展開
3-1-6 スペースフレームの発展
3-1-7 日本の大スパン建築
3-1-8 最近の動向と今後の展開
3-2 大スパン建築の種類と構造システム
3-2-1 トラスとスペースフレーム[C群]
3-2-2 アーチ[D群]
3-2-3 ドーム[D群]
3-2-4 シェル[D群]
3-2-5 テンション構造と膜構造[E群]
3-2-6 ハイブリッド
3-3 大スパン建築の設計
3-3-1 大阪ドーム:鉄骨ラチスドーム[C群]
3-3-2 仙台空港ターミナル:鉄骨による曲面屋根[C群]
3-3-3 さいたまスーパーアリーナ:可動スタンド[C群]
3-3-4 新潟スタジアム:クロスアーチ[D群]
3-3-5 大阪市中央体育館:RCシェル[D群]
3-3-6 パシフィコ横浜展示場:サスペンアーチ[E群]
3-3-7 カシマサッカースタジアム:吊構造,膜構造増築[E群]

第4章 [長さ]を可能にする構造デザイン
4-1 橋の変遷
4-1-1 近代橋梁前史
4-1-2 ヨーロッパにおける近代橋梁の発展
4-1-3 アメリカにおける近代橋梁の発展
4-1-4 第2次大戦後のドイツの橋梁技術
4-1-5 近代日本の橋梁
4-1-6 最近の動向と今後の展開
4-2 橋の種類と構造システム
4-2-1 橋の形式と適用スパン
4-2-2 橋の構成と主要な部位
4-2-3 石橋,木橋
4-2-4 桁橋,ラーメン橋[B群]
4-2-5 トラス橋[C群]
4-2-6 アーチ橋[D群]
4-2-7 吊橋[E群]
4-2-8 斜張橋,吊床板橋[E群]
4-3 橋の設計
4-3-1 金沢大学アカンサスインターフェイス:フィーレンデール橋[B群]
4-3-2 群馬リハビリ公園猿橋:木造ラーメン橋[B群]
4-3-3 大宮ほこすぎ橋:ローゼ桁橋[D群]
4-3-4 広島西大橋:多径間連続斜張橋[E群]

第5章 [高さ]を可能にする構造デザイン
5-1 塔の変遷
5-1-1 古代の塔:監視塔・宗教塔の時代
5-1-2 近代以降の塔:記念塔・機能塔の時代
5-1-3 日本の塔
5-1-4 最近の動向と今後の展開
5-2 塔の種類と構造システム
5-3 塔の設計
5-3-1 フジテック研究塔:RC塔[A群]
5-3-2 瀬戸デジタルテレビ塔:曲線形状[B群]
5-3-3 千葉ポートタワー:外装,TMDダンパー[B群]
5-3-4 大連タワー:NSトラス[C群]
5-3-5 水戸デジタル送信所:テンション材[E群]
5-4 高層ビルの変遷
5-4-1 超高層ビルの誕生
5-4-2 モダニズムの時代からポストモダンへ
5-4-3 日本の超高層ビルの曙
5-4-4 制振構造の誕生
5-4-5 免震構造の発展と超高層建築への応用
5-4-6 最近の動向と今後の展開
5-5 高層ビルの種類と構造システム
5-5-1 高層ビルの構造形式
5-5-2 コアプランと無柱空間
5-5-3 ビル建築の構造要素
5-5-4 エネルギー吸収部材
5-5-5 高層ビルの設計と検証法
5-6 高層ビルの設計
5-6-1 NECスーパータワー:大架構[B群]
5-6-2 PCP丸の内ビル:足元の大架構[B群]
5-6-3 上海信息枢紐大楼:海外での大架構[B群]
5-6-4 泉ガーデンタワー:井桁フレーム[B群]
5-6-5 大阪WTC・コスモタワー:制振[B群]
5-6-6 ミッドランドスクエア:連結制振[B群]
5-6-7 晴海アイランドトリトンスクェア:連結制振[B群]
5-6-8 日本生命丸の内ビル:外装による制振[B群]
5-6-9 汐留住友ビル:中間階免震[B群]

COLUMN
1 ヨーロッパの歴史はエトルリアに始まる/切り捨てられた歴史
2 世界の歴史はシュメルに始まる/現代文明の淵源 シュメル文明
3 構造システムに関する基本的なキーワード
4 国立代々木競技場/構造システムのもたらす形態
5 わが国の橋にまつわる故事伝説
6 落橋物語
7 東京タワーの設計者・内藤多仲博士の功績/耐震建築の黎明
8 超高層建物と長周期地震動

付録
建築・橋・塔のデータとランキング
セイムスケール 建築・橋・塔の大きさ比較
年表 構造システムの歩み


カバーに多少スレ、キズ、ヤケ。
小口天地、ページ周縁部多少ヤケ。
その他良好。
販売価格 0円(税込)
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